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日本にいるあいだにパスポートを更新した外国人は、古いパスポートのビザ(在留資格)を移す手続きをやっておきましょう。この手続きをすることで、出入国や、暮らしに関する手続きが楽になります。
ここでは、証印転記の申請場所、必要書類、費用、かかる時間などを解説します。
短期滞在や旅行、3か月以下の在留資格の場合は在留カードが発行されません。そのため、日本にいるあいだに自分のパスポートを更新したとき、なるべく早く証印転記を行っておきましょう。まずは、パスポート更新が日本での暮らしにどうかかわるのか整理します。
古いパスポートに入っている日本のビザ(VISA・査証や、在留資格の証印)は、そのパスポートの有効期限が切れても、ビザの有効期限(在留期間)が残っていれば引き続き有効です。そのため、新しいパスポートと、ビザが押された古いパスポートの両方を一緒に持っていれば、基本的には問題ありません。
しかし毎回2つのパスポートを見せるのは、少し面倒です。古いパスポートをなくしてしまいビザの証明が難しくなってしまう場合もあるでしょう。
証印転記とは、まだ有効なビザを証明するスタンプ(上陸許可や在留資格の証印)を、古いパスポートから新しいパスポートへ写してもらう手続きです。この手続きを行うと、新しいパスポートだけで有効なビザを証明できるようになります。
この証印転記は、在留資格の更新(今のビザの期限を延ばすこと)や、在留資格の変更(今のビザとは違う種類のビザに変えること)とは異なる手続きです。
証印転記が必要なのは、有効期間を迎えてパスポートを更新するときだけとは限りません。次のような理由で再発行してもらったり、スタンプが押せなかったりするときも必要です。
新しいものと古いもので2つパスポートを持っている人は、入国審査などのときに2つとも持ち歩かなくてはなりません。紛失や盗難などで以前のパスポートがなく、証印転記をしていないときは、日本の空港での出入国審査の際、審査官から詳しい説明を求められたり、確認に時間がかかったりする可能性があります。
就労ビザの申請や永住許可申請で必要な過去の出入国回数や時期などの情報も、集約してあると、さかのぼることが簡単で便利です。
新しいパスポートにビザを移す「証印転記」の手続きは、どこで、いつまでにすれば良いのでしょうか。また、手続きの場所はどうやって探せばいいのでしょう。ここでは、証印転記の基本的なルールについて説明します。
証印転記の手続きは、自分が住んでいる地域を管轄する出入国在留管理局(入管)や、その支局、または出張所の窓口で行います。インターネットを使ったオンラインでの申請はできないため、窓口に直接行きましょう。
管轄の入管は、出入国在留管理庁のWebサイト(リンク)で確認できます。間違った場所へ行ってしまうと手続きができないため、事前にしっかり調べておきましょう。
証印転記の手続きに期限はありません。日本の法律には「パスポート更新があったときは証印転記をいつまでにやる」といった決まりがなく、自分の都合のいいタイミングで手続きできます。
なお、次にビザを更新するときなど、ほかの手続きをするときに、証印転記も一緒にお願いできる場合があります。ただし、手続きの種類や状況によって対応が異なることもあるため、前もって確認しておくと良いでしょう。
古いパスポートから新しいパスポートに移してもらえるのは、日本に入国し、しばらく滞在するためのすべてのビザのスタンプです。具体的には、次のようなものです。
なお、日本以外の国でもらったビザについては、スタンプを移すことができません。日本の入管には権限がないためです。
ここからは、実際に証印転記の手続きをどのように進めていくのか説明します。必要な書類をそろえ、正しい手順で申請することが大切です。
証印転記の手続きは、決められた様式の申請書とパスポート2通があればできます。必要なのは、次の3つです。
証印転記の手続きをすること自体には、お金(手数料)はかかりません。
ただし、入管へ行くための交通費(電車代やバス代など)は、自分で払う必要があります。また、もし手続きを手伝ってもらうために、ビザの専門家である行政書士などにお願いした場合は、その人へ支払う料金が必要です。
証印転記の手続きにかかる時間は、いくつかの状況によって変わってきます。まず、入管の窓口で申請を受け付けてもらうまでの待ち時間があります。これは、行った日の混み具合や時間帯によって、長く待つこともあれば、比較的すぐに呼ばれることもあります。
パスポートを更新した後のビザの証印転記について、いろいろと疑問が出てくるかもしれません。ここでは、よくある質問とその答えを紹介します。
証印転記は家族と一緒に申請できますが、基本的にはビザを持っている本人が行わなければなりません。家族を代表する人が代わりに申請する場合には、委任状(「あなたにお願いします」という内容の書類)や、本人と代理人の関係を証明する書類(日本の住民票や戸籍謄本など)が追加で必要です。
証印転記は、今持っている有効なビザ(在留資格の証印)を、古いパスポートから新しいパスポートに「転記する」だけの手続きです。この手続きをしても、日本にいられる期間は変わりません。一方、在留資格更新は、今持っているビザ(在留資格)について、日本にいられる期間を「延ばす」ための手続きです。
このように、手続きの目的、申請するタイミング、そして必要な書類もそれぞれ異なります。もしパスポートの更新時期と在留資格の更新時期が近い場合は、どちらの手続きも忘れずに行うように注意しましょう。
証印転記の手続きを友達や日本人の知り合いに代わってもらうことは、基本的にできません。代わりに手続きしてほしいときは同居の親族や「申請取次者」として活動できる人にお願いしましょう。
申請取次者とは、弁護士や行政書士のうち、入管に届け出て承認を受けた人のことです。承認を得た人なら、代わりに証印転記を依頼できるだけでなく、わからないことを質問しながらスムーズに手続きを進めてもらえます。
パスポートの更新やビザの手続きについて、自分だけでは分からないことや心配なことが出てくるかもしれません。そんな時は、一人で悩まずに専門の相談窓口を利用しましょう。
入管には、外国人からの問い合わせに対応するための「インフォメーションセンター」があります。ここでは、在留資格の手続きや必要書類など、入管業務に関する一般的な質問に答えてくれます。
外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)は、日本で生活する外国人のための相談窓口が1か所に集まった便利な施設です。東京の四谷にあり、入管の相談窓口のほか、仕事を探せる窓口(ハローワーク)や、日本にいるあいだに起こったトラブルについて相談できる窓口(法テラス)など、さまざまな機関が入っています。
入管のインフォメーションセンターやFRESCのほかにも、役所や外国人支援を行っているNPO・NGOなど、外国人が相談できる場所はいくつかあります。
ビザやパスポートの手続きに関する相談なら、おすすめできるのは「行政書士」です。行政書士は、外国人の入国や滞在について定める法律に詳しく、入管の審査官の対応などもできます。
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パスポートを新しくしたら、古いパスポートのビザを新しいパスポートへ移す「証印転記」の手続きを忘れずに行いましょう。この手続きは、入管へ申請書と新旧のパスポートを提出するだけです。手数料はかかりません。
もし手続きで分からないことがあれば、出入国在留管理庁インフォメーションセンターやFRESC、または行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。行政書士法人Luxentでは、手続きに関する質問にも、手続きの代行にも対応しています。
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