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就労ビザの基本

【事例】Episode① スリランカから来日人材コーディネータのケース

スリランカ人人材コーディネーター

具体例をもとにビザ取得までの理解を深められるケーススタディシリーズ。今回は名古屋の人材派遣会社で人材コーディネーターとして活躍するアミラ・フェルナンドさん(30歳/スリランカ出身)が、就労ビザを取得して日本で働く夢を叶えるまでの道のりを、具体的なステップに沿ってご紹介します。

後半ではビザ申請ではどのような書類を準備すれば良いのか、今回の申請書類についてビザ申請をサポートした行政書士の解説も盛り込みます。

これから日本で就職を考えている外国人の方はもちろん、外国人材の受け入れを検討している企業の担当者もぜひ参考にしてください。

ビザ取得までの道のり

初めまして、スリランカから来ましたアミラです。
子供の頃に見たアニメがきっかけで日本に興味を持ち、知れば知るほど、その文化や、仕事における「おもてなし」の精神に惹かれるようになりました。いつかはこの国で働き、ビジネスの現場を肌で感じてみたい。そんな長年の夢を叶え、今は「人材コーディネーター」として働いています。
私が日本で働くという夢を叶えるまでの、期待と少しの不安に満ちた道のりについて、お話ししたいと思います。

プロフィール

名前: Amila Fernando(アミラ・フェルナンド)
出身: スリランカ
職業: 人材コーディネーター
経歴: スリランカの人材紹介会社で5年間、日本向けの人材派遣を担当。その後、日本の人材派遣会社に転職し、2024年に来日。
専門: 日本・スリランカ間の人材紹介、ビザ申請サポート、異文化コミュニケーション
言語: シンハラ語(母国語)、英語(ビジネスレベル)、日本語(N3レベル)

日本で働くという夢への第一歩 2024年6月

日本の会社で働きたい一心で求人への応募を続け、ついに名古屋の会社から内定をいただいた時は、夢が現実になるんだと胸が高鳴りました。その仕事は、人材を求める日本の会社と、私のように日本で働きたいと願う外国人材をつなぐ「人材コーディネーター」。私の母国スリランカと日本の架け橋になれる、まさに理想の仕事でした。

内定後、最初の関門であるビザ取得のために、会社が紹介してくださった行政書士の方とオンラインで面談をしました。
面談では、これまでの経験と思いを正直に伝えました。コロンボ大学でビジネスマネジメントを学んだこと。語学力のこと。そして何より、私の強みを活かして、優秀なスリランカ人材と素晴らしい日本企業をつなぎ、両国の発展に貢献したいという情熱を、精一杯お話ししました。

私の話を聞いて、ビザの専門家であるその方は「技術・人文知識・国際業務」という在留資格が最適だと力強く言ってくださいました。そして、申請に必要な書類をリストアップし、今後の段取りを分かりやすく説明してくださったので、何をすべきかが明確になり、大きな安心感を得られました。

期待と不安の書類準備 2024年7月~9月

計画に沿って、母国の大学から卒業証明書そつぎょうしょうめいしょを取り寄せたり、前職の会社に在職証明書ざいしょくしょうめいしょを依頼したりと、準備が始まりました。一つひとつ書類が揃っていくたびに、日本でのキャリアが近づいてくるようで期待に胸が膨らみました。

一方で、「本当にビザは取れるのだろうか」「もし書類に不備があったら、私の夢はここで終わってしまうのではないか」という不安が、夜になると押し寄せてくることもありました。特に、就職先の会社には決算書など、私には分からない専門的な書類も多く準備していただく必要がありました。サポートしてくださった行政書士の先生が会社と密に連携を取り、私の知らないところでも準備を進めてくださっていると聞き、本当に心強く感じたのを覚えています。

すべての書類が整い、オンラインで申請を終えたと連絡を受けた時は、あとは祈るような気持ちでした。

待ちに待った朗報、そして日本へ!

約3ヶ月後、「無事に在留資格認定証明書ざいりゅうしかくにんていしょうめいしょ(COE)が交付されました」というメールが届いた時は、思わず声を上げて喜びました。長年の夢への扉が開いた瞬間でした。すぐにスリランカの日本大使館でビザを受け取り、ついに来日の準備が整いました。

驚きと発見の新生活 2024年9月~10月

日本に到着して空港から出た瞬間、感じた空気の清潔さと、街の静けさにまず驚きました。そして、会社が手配してくれた新しい部屋に入った時、「ここから私の新しい人生が始まるんだ」と、改めて実感が湧いてきました。

会社のサポートは想像以上でした。住居の契約だけでなく、銀行口座の開設や携帯電話の契約まで、通訳の方と一緒に丁寧にお手伝いしてくださったのです。ここまで手厚くサポートしてもらえるとは思っていなかったので、驚くと同時に、心からの感謝でいっぱいになりました。言葉も文化も違う土地でのスタートでしたが、そのおかげで安心して生活の基盤を築くことができました。

人材コーディネーターとしての挑戦 2024年10月~

2024年10月、私は正式に人材コーディネーターとしてのキャリアをスタートさせました。日本の職場で最初に驚いたのは、時間の正確さと「報・連・相ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」の文化です。最初は戸惑うこともありましたが、周りの先輩方が辛抱強く教えてくださり、チームで働くことの大切さを学びました。

仕事に慣れるにつれて、日本の生活を楽しむ余裕も出てきました。コンビニの品揃えの豊富さとクオリティの高さには毎日感動していますし、休日に食べるラーメンは最高の楽しみの一つです。

今、私はお客様である企業の採用担当者の方と直接お会いし、スリランカ人材の魅力をお伝えしています。彼らが日本で安心して働き、成長できる環境を整えることが私の使命です。言葉や文化の壁を乗り越え、企業と働く人、双方にとって最高の架け橋となることを目指して、これからも精一杯頑張ります。

本申請で行政書士が準備した書類

申請人側の書類準備

アミラさんには、以下のような英語書類をPDF形式で提出していただきました。なお英語による公的書類であるため、翻訳は不要と判断しました。

  • 大学卒業証明書(英文)
    コロンボ大学が発行した正式な英文証明書で、学士号(Bachelor’s Degree in Business Management)の記載、発行日、大学の署名および印章を確認。
  • 成績証明書(英文)
    履修科目や評価が詳細に記載されており、ビジネスマネジメント関連の専門的な学修歴を裏付ける資料として有効です。
  • 在職証明書(英文)
    前職の企業より発行された英文証明書により、職務内容と在職期間を確認できました。こちらも翻訳を要しない文面であったため、そのまま使用しました。
  • 職務経歴書(本人作成・英文/日本語)
    アミラさん本人にて作成した英語版および日本語版の職務経歴書を提出いただき、内容を行政書士が精査・整理しました。
  • パスポートのコピー、顔写真
    JPEG形式の写真データもPDF化して提出いただきました。

これらの書類はすべてデータにて、メールまたはチャットツールを通じて提出いただき、クラウドストレージで一元管理を行いました。郵送の手間や紛失リスクがなく、非常にスムーズに準備を進めることができます。

企業側の書類準備

受け入れ企業には、以下の書類をご用意いただきました

PDFスキャンのイラスト
  • 雇用契約書/雇用条件通知書
    「職務内容」「報酬(月給25万円)」「契約期間」「勤務地」などの労働条件を明示した文書をPDFにて提出いただきました。
  • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
    最新のものをPDFスキャンして共有いただき、法人情報の確認を行いました。
  • 決算書(直近年度の損益計算書・貸借対照表)
    担当部署よりPDFデータで提供いただき、企業の経営安定性を確認しました。
  • 源泉徴収票等の法定調書合計表
    税務署提出済みの原本をPDFで提出いただきました。
  • 会社概要書(行政書士作成)
    企業では統一した会社案内が用意されていなかったため、行政書士が担当者からヒアリングを行い、設立年・資本金・事業内容・従業員数などを記載した概要書を作成しました。
  • 業務内容説明書(行政書士作成)
    アミラさんが担う業務(外国人材との面談、採用サポート、ビザ申請補助、企業との通訳対応など)について、日本語で詳述。技人国に該当することを丁寧に説明しました。

申請書類の作成と提出

申請に必要な下記の書類を作成します。

  • 在留資格認定証明書交付申請内容
  • 申請理由書(日本語)
  • 添付資料一覧表
  • 業務内容説明書

作成後、書類一式をPDF化し、アミラさんおよび受入企業に共有。
内容の誤りがないか、メールとオンライン面談で確認を行い、両者の承認を得たうえで、出入国在留管理庁のオンライン申請システムを通じて正式に申請を行いました。

まとめ

今回は、スリランカ出身の人材コーディネーター、アミラ・フェルナンドさんの事例を通して、外国人材が就労ビザを取得し、日本で活躍を始めるまでの具体的な道のりをご紹介しました。

彼のストーリーから見えてきた、外国人材のビザ取得及び受け入れを成功させるための重要なポイントを、最後に改めて整理します。

今回の事例から学ぶ3つのポイント

  1. 計画的な在留資格(ビザ)申請の重要性
    専門家と連携し、本人の経歴に合った最適なビザを計画的に申請することが、円滑な受け入れの第一歩です。
  2. 企業側の手厚い生活サポートが活躍の鍵
    住居の手配や各種手続きなど、企業による手厚い生活サポートが、人材の安心感と早期の活躍に直結します。
  3. 「架け橋」となる人材がもたらす大きな価値
    母国と日本の両方を理解する「架け橋」人材は、組織のコミュニケーションを円滑にし、新たな事業価値を創出します。

外国人材の採用は、もはや人手不足を補うためだけのものではありません。多様なバックグラウンドを持つ人材と共に働くことは、企業に新しい視点をもたらし、グローバルな競争が激化する現代において、組織をより強く、より豊かに成長させるための未来への投資と言えるでしょう。

「外国人材の採用に興味はあるが、何から始めればいいか分からない」
「ビザ申請の手続きが複雑で、専門的な知識に不安がある」

もし、そのようなお悩みがございましたら、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。

※登場人物の名前・経歴等は仮称です。
※弊所にて扱った事例を参考に個人情報等に配慮しながら編集・執筆しています。

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Luxent 安藤 光晴

記事を書いた人

行政書士 安藤 光晴 Mitsuharu Ando

行政書士法人Luxentは、福岡を拠点に全国対応しています。若さと粘り強さを活かし、外国人の方や外国人雇用が初めての法人様にも丁寧にサポートを提供しています。

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