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就労ビザの基本

【事例】Episode② ソウルから福岡へ 天神のホテル勤務のケース

韓国人ホテルフロント

具体例をもとにビザ取得までの理解を深められるケーススタディシリーズ。今回は延世大学でサービス・マネジメントを学び、ソウルで国際マーケティングの経験を積んできたパクさんが、福岡のシティホテルでホテルフロントとマーケティングアシスタントとして働くためのビザ取得を行政書士とすすめたプロセスを紹介します。

プロフィール

名前: パク・ソヨン (Park So-yeon) 女性
年齢: 30歳
出身地: 韓国・ソウル
現職: 天神のシティホテル ホテルフロントスタッフ 兼 マーケティングアシスタント
ビザの種類: 技術・人文知識・国際業務(技人国ぎじんこく)ビザ
学歴:延世大学校(Yonsei University) 経営学部 サービス・マネジメント専攻 卒業

在学中は、サービス産業における顧客体験デザイン、ホスピタリティマーケティング、オペレーション管理などを専門的に学ぶ。特に、ホテルの事例研究や国際観光に関するプロジェクトに積極的に参加。

語学力:韓国語: ネイティブ、英語: ビジネスレベル(TOEIC 850点)、日本語: N2レベル(日常会話、ビジネスシーンでの基本的なコミュニケーション、読み書きは可能)

職歴:韓国の総合商社で国際マーケティング担当として3年間勤務。主に欧米市場向けに、市場調査、プロモーション戦略立案、パートナーシップ構築などに従事。

日本来日後、現在のホテルに勤務。自身のマーケティング経験と語学力、そして大学でのサービス・マネジメントの知識を活かすため、ホテルフロント業務と並行してマーケティング業務も担当している。

福岡のホテルを選んだ理由

私が福岡のホテルを選んだのは、地理的な近さと文化的な親和性が大きな理由でした。とくに、福岡は韓国からの旅行者が非常に多く、ショッピングやグルメなどを目当てに多くの韓国人が訪れる都市です。このホテルも、福岡の中心地天神にあり、韓国人宿泊客の比率が高く、韓国語と日本語の語学力、そしてマーケティング経験が活かせる場だと感じたから選びました。

ビザの取得から日本に来るまでの流れ

提携の行政書士の先生と情報共有

私のビザ申請の第一歩は、私が働く予定の福岡のシティホテルが行政書士の方に依頼するところから始まりました。ホテルからは、私の雇用契約や具体的な仕事内容、お給料のことなど、ビザ申請に必要な情報が行政書士の方に伝えられたそうです。私自身はソウルにいたので、この段階ではホテルと行政書士の方の間でやり取りが進められました。

 ホテルでの仕事と私の学歴

行政書士の方から、私(申請人)とホテル(受入機関)それぞれに必要な書類の具体的なリストが送られてきました。私には、ソウルにある延世大学の卒業証明書や成績証明書、これまでの職務経歴書、パスポートのコピー、履歴書、証明写真などを準備するように指示がありました。特に、大学での専攻内容や、これまで経験してきた国際マーケティングの仕事内容を詳しく伝えることが重要だと言われました。
行政書士の方は、私がホテルで行うホテルフロント業務とマーケティングアシスタント業務が具体的にどのような内容で、どのくらいの割合で行われるのかを詳しくヒアリングしてくださり、私の専門性がビザの要件に合致していることを書類で説明するために、慎重に準備を進めてくださいました。

書類については、全てスキャンしたものをメールで送るだけだったので、とてもスムーズでした。

 申請書類の作成と最終確認

私が集めた書類を行政書士の方に送り、ホテル側で準備された書類と合わせて、「在留資格認定証明書交付申請書ざいりゅうしかくにんていしょうめいしょこうふしんせいしょ」の作成が進められました。

特に力を入れて作成されたのが「理由書」です。ここでは、私の学歴やマーケティング経験と、ホテルでの業務内容がいかに「技術・人文知識・国際業務」という在留資格に当てはまるかを、論理的に説明する内容でした。完成した理由書は私の専門性や、ホテルでの仕事が単なるフロント業務だけでなく、マーケティングという専門性を活かせる業務であるという点が強調された書類になっており、とても安心しました。

出入国在留管理局への申請(日本での手続き)

全ての書類が揃い、準備が完了すると、行政書士の方が、それらの書類一式を福岡の出入国在留管理局しゅつにゅうこくざいりゅうかんりきょく(入管)に提出してくださいました。私はソウルにいるので、日本の手続きは全て行政書士の方にお任せできるのは心強いです。申請後、入管から追加で資料の提出を求められたり、面接が必要になったりする可能性もあるそうですが、その際も行政書士の方が対応してくださるので安心です。

ドキドキした審査期間中

申請書が提出されてから、入管での審査が始まります。この審査には、通常1か月から3か月程度かかるとのことでした。ソウルにいながら、日本での審査が無事に進むのを待つ時間は長く感じ少しドキドキしましたが、行政書士の方が随時状況を確認してくださるので、落ち着いて結果を待つことができました。

審査が無事に終了!在留資格認定証明書をゲット

2か月後、審査が無事に終了し「在留資格認定証明書ざいりゅうしかくにんていしょうめいしょ」が交付されました。これは私の仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当することを認めるもので非常に重要な書類です。この証明書は、福岡の行政書士の方から即日メールにて送られてきました。この瞬間は、日本での新しい生活が現実味を帯びてきたように感じ、とても嬉しかったです。

ソウルの日本大使館でのビザ申請

「在留資格認定証明書」が私の手元に届いたら、私はすぐにソウルにある日本の在外公館(大使館)へ向かい、日本に入国するためのビザ(査証)を申請しました。在留資格認定証明書があるおかげで、大使館での審査は比較的スムーズに進み、数日後には無事にビザが発給されました。これで、いよいよ日本へ出発できる準備が整いました。

 日本への入国・在留カードの受け取り

ビザを取得した私は、いよいよソウルから福岡へと旅立ちました。福岡空港に到着し、入国審査を通過する際、パスポートにビザが貼られ、その場で「在留カード」が交付されました。この在留カードが、日本での私の在留資格を証明する大切な身分証明書となるので、いつも財布の中に入れて大事に持ち歩いています。

新しい職場での勤務開始!

在留カードを手にし、晴れて福岡のシティホテルでの勤務を開始することができました!
ソウルから福岡への道のりは、行政書士の方々の専門的なサポートのおかげで、とてもスムーズに進みました。これからは、大学で学んだ知識とこれまでの経験を活かし、福岡の地でマーケティングとホスピタリティの専門性を高めていけることが、とても楽しみです。

ビザのポイント解説

パクさんが取得した「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、日本の企業等で働く外国人の方が最も多く取得する就労ビザの一つです。このビザは、大学などで習得した専門的な知識や技術、または外国人特有の文化的素養を活かした業務に従事する場合に取得できるものです。

1. 取得要件の概要

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するためには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 学歴要件
    従事しようとする業務に関連する分野の知識を、大学や専門学校で修得していること。例えば、パクさんのように大学でサービス・マネジメントを専攻し、ホテルでのフロント業務やマーケティング業務に従事する場合は、この要件に合致します。
  • 職務経験要件
    従事しようとする業務に関連する実務経験じつむけいけんが10年以上あること(ただし、大学等を卒業し、その専攻内容と業務に関連性があれば実務経験は不要です)。パクさんは3年間の国際マーケティング実務経験をお持ちですが、大学でのサービス・マネジメントの専攻と、ホテルでの業務の関連性が認められるため、実務経験10年は必須ではありませんでした。
  • 業務内容と学歴との関連性
    従事する業務が、学歴や職務経験で培った専門知識・技術を要するものであること。
    単なる単純労働ではなく、専門性が求められる業務であることが重要です。パクさんの場合、ホテルフロント業務とマーケティングアシスタント業務は、大学で学んだサービス・マネジメントやホスピタリティマーケティングの知識、そして前職での国際マーケティングの経験が不可欠な専門性の高い業務と判断されました。
  • 報酬の相当性
    日本人が従事する場合と同等以上の報酬を受けること。
    不当に低い賃金である場合は許可されません。
  • 会社の安定性・継続性
    雇用する会社が、事業を安定して継続できる経営基盤を持っていること。

2. 主な必要書類(申請人側)

パクさんの事例でも準備されたように、申請人(外国人本人)が準備する主な書類は以下の通りです 。

  • 履歴書
    詳細な職務経歴や学歴を記載します。
  • 最終学歴の卒業証明書および成績証明書
    大学や専門学校で何を学んだかを証明します。
  • 職務経歴書
    職歴を説明するもので、これまでの職務内容、期間、役割などを具体的に記載します。
  • パスポートのコピー
    身分事項、顔写真、署名などがあるページをコピーします。
  • 顔写真
    縦4cm×横3cmで、申請前3ヶ月以内に撮影されたもの。オンライン申請の場合はJPEG形式のデータ。
  • 日本語能力を証明する書類
    日本語能力試験(JLPT)の合格証明書など。パクさんはN2レベルでしたので、これを提出しました。
  • (職務経験を証明する場合)在職証明書
    これまでの勤務先での在職期間や職務内容を証明する書類。

3. 主な必要書類(受入れ機関側)

受入れ機関(日本の会社)が準備する主な書類は以下の通りです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
    出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできる所定の様式です。
  • 雇用条件明示書または雇用契約書
    雇用条件や業務内容が明確に明記されている必要があります。
  • 会社案内
    会社の事業内容や組織体制がわかる資料です。
  • 登記事項証明書
    会社の法人としての登録を証明する書類です。
  • 直近の決算書
    貸借対照表・損益計算書等で会社の経営状況を証明する書類です。
  • 申請内容説明書(理由書)
    なぜこの外国人材を採用する必要があるのか、どのような業務に従事させるのか、そしてその業務が外国人の専門性とどう関連するのかを具体的に説明する重要な書類です。パクさんの事例でも、彼女のサービス・マネジメントという学歴や国際マーケティングの経験と、ホテルでの業務内容がいかに「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に当てはまるかを論理的に説明することで、許可の可能性を大きく高めました。

まとめ

パクさんのように、ご自身の学歴や職歴を活かして日本で働くためには、専門性と業務内容の関連性を明確に示すことが非常に重要です。
特に、なぜその人材が必要なのかを説得力をもって説明する「申請内容説明書しんせいりゆうないようせつめいしょ(理由書)」は、ビザ取得の鍵となります。書類の準備は多岐にわたりますが、パクさんの事例のように、行政書士などの専門家と連携することで、海外にいながらでもスムーズに手続きを進めることが可能です。

※登場人物の名前・経歴等は仮称です。
※弊所にて扱った事例を参考に個人情報等に配慮しながら編集・執筆しています。

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Luxent 安藤 光晴

記事を書いた人

行政書士 安藤 光晴 Mitsuharu Ando

行政書士法人Luxentは、福岡を拠点に全国対応しています。若さと粘り強さを活かし、外国人の方や外国人雇用が初めての法人様にも丁寧にサポートを提供しています。

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