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就労ビザの基本 転職したときのビザの手続き

ビザ申請で目にする「所属機関のカテゴリー」とは?その違いと注意点を解説

こんにちは!行政書士の安藤です。

ビザ申請をするとき、「所属機関のカテゴリー」という言葉を耳にしたことはありますか?
「聞いたことはあるけど、よくわからない…」という方も多いかもしれませんね。

この「カテゴリー」はビザ申請に特有の用語のため、一般にはあまり知られていません。しかし、この違いを理解せずに手続きを進めると、必要な書類が準備できなかったり、反対に、不要な書類を集めるのに時間を浪費してしまったりする可能性があります。

この記事では、ビザ申請で重要となる「所属機関のカテゴリー」について、一つひとつ分かりやすく解説します。

ビザ申請における「所属機関のカテゴリー」とは?

「所属機関のカテゴリー」とは、ビザを申請する企業や団体の規模・安定性を、出入国在留管理庁(以下、入管)が判断するために設けている区分です。入管は、このカテゴリーによって提出書類や審査の内容を定めています。

なぜなら、企業規模が大きいほど法令遵守の意識が高く、事業も安定していると判断される傾向にあるためです。そのため、カテゴリー1に該当する企業は、提出する書類がごく一部で済みます。一方、カテゴリーが下がるにつれて、企業の信頼性を確認するための書類は増えていきます。

全部で4つのカテゴリーがあり、それぞれに異なる特徴があります。

4つのカテゴリーとそれぞれの特徴

ビザ申請に必要な書類は、雇用する企業や団体が以下のどのカテゴリーに属するかによって変わります。

カテゴリー1:上場企業など、非常に安定した企業・団体

  • 日本国内に本店がある上場企業
  • 地方公共団体
  • 国・地方公共団体が認可した機関
  • 行政法人や国立大学法人

など、規模が大きく信頼性の高い機関が該当します。これらの企業・団体は事業の安定性が担保されているとみなされるため、ビザ申請時に提出する書類がごく一部で済みます。

カテゴリー2:法定調書合計表の「給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額」が1,000万円以上である個人・団体

カテゴリー2は、法定調書合計表の「給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額」が1,000万円以上である個人や団体が該当します。これは、一定以上の規模がある企業と判断されるため、カテゴリー1に準じた簡略化された書類で申請できます。また、法定調書合計表を提出できるものの、上記の1,000万円に満たない場合に、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された個人や団体もこれに該当します。

法定調書合計表 源泉徴収税額は青枠で囲った部分

カテゴリー3:法定調書合計表の「給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額」が1,000万円未満の企業

カテゴリー3は、前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出している団体・個人(カテゴリー2を除く)が該当します。具体的には、「給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額」が1,000万円未満の個人や団体が該当します。

このカテゴリーには、多くの中小企業が含まれますが、入管は企業の信頼性を個別に審査するため、カテゴリー1や2よりも多くの書類提出が求められます。

カテゴリー4:新規設立企業や、カテゴリー1〜3に該当しない企業

  • 設立したばかりで事業の実績がない。
  • 法定調書合計表の提出ができず、カテゴリー1〜3に該当しない。

上記のような個人・団体が該当します。このカテゴリーは、入管が企業の事業計画や経営状況を詳細に確認するため、提出書類が最も多くなります。事業の安定性や継続性を証明するための書類が特に重要です。

特定技能ビザの申請におけるカテゴリーの考え方

「特定技能ビザ」の申請においても、所属機関のカテゴリーに似た考え方が採用されています。

該当する所属機関は、所属機関に関する書類が省略されるなどの優遇措置を受けられます。具体的には、下記の基準を満たす機関です。

提出書類一覧の「第2表の1」 前提条件

  • 過去3年間に指導勧告書の交付、または改善命令処分を受けていないこと
  • 在留諸申請をオンライン申請、各種届出を電子届出で行っていること

さらに、以下のいずれかに該当する場合。

  1. 日本の証券取引所に上場している企業
  2. 保険業を営む相互会社
  3. 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業
  4. 一定の条件を満たす企業等
  5. 前年分の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
  6. 特定技能所属機関として3年間の継続した受入れ実績があり、過去3年間に債務超過となっていない法人

通常のカテゴリー区分(カテゴリー1~4)とは少し異なりますが、カテゴリー1や2に該当する企業が、特定技能ビザの申請においても優遇されるという点は共通しています。

上記の6番「特定技能外国人の受入れ実績要件」は、比較的満たしやすい要件です。また、同一年度内に特定技能外国人を受け入れている所属機関も、所属機関に関する書類を省略できるようになっています。

カテゴリーごとの必要書類の違い

所属機関のカテゴリーによって、ビザ申請時に求められる書類は大きく変わります。ここでは、具体的な書類の違いを見ていきましょう。

カテゴリー1・2の場合

カテゴリー1・2に該当する企業の場合、ビザ申請に必要な書類はかなりシンプルです。

  • 申請書
  • 顔写真
  • カテゴリーに該当することを証明する文書(※カテゴリー1・2で異なります)
  • 専門学校を卒業し、専門士または高度専門士の称号を付与された者については、専門士または高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書(卒業証書など)
  • 派遣契約に基づいて就労する場合(申請人が被派遣者の場合)は、派遣先での活動内容を明らかにする資料(労働条件通知書(雇用契約書)等の写し)
    ※詳細は出入国在留管理庁HP参照

基本的な書類のみで企業から提出する書類はほとんどありません。

カテゴリー3・4の場合

一方で、カテゴリー3・4に該当する場合、提出書類は増えます。

  • 沿革、役員、組織、事業内容などが記載された、いわゆる会社案内
  • 雇用条件明示書
  • 給与支払いの証明書
  • 直近の決算報告書…など

これらの所属機関は、事業の実態を証明するための詳細な書類が必要です。特に法定調書合計表を提出できない場合には、その理由を明らかにする資料を準備して説明します。

ビザ申請においてカテゴリーが影響する具体的なケース

所属機関のカテゴリーは、単に書類の量が変わるだけでなく、ビザ申請のプロセス全体に影響します。

審査期間への影響

カテゴリー1・2の企業の場合、ビザ申請の審査期間は比較的短い傾向にあります。書類が簡略化されているため、入管の審査官もスムーズに確認を進められます。

一方、カテゴリー3・4の企業の場合、提出された資料を詳細に確認したり、電話でのヒアリングや事業所への実地調査を行うケースもあります。そのため、審査期間が長くなる傾向にあります。

追加書類の提出を求められるケース

どのカテゴリーでも共通ですが、審査の途中で入管から追加書類の提出を求められることがあります。

提出された書類だけでは事業の安定性や継続性を十分に確認できないと判断された場合や、申請内容に疑問がある場合などに求められます。

カテゴリー以上に申請内容が重要

ここまでは所属機関のカテゴリーがビザ申請にどう影響するかを解説してきましたが、実はカテゴリー以上に申請内容そのものが最も重要です。

  • 十分な仕事量があるか。
  • 職務内容が在留資格に合った仕事か、単純労働ではないか。
  • 書類に矛盾や虚偽がないか。

これらの点に疑問があると、カテゴリー1の企業であってもビザが不許可になる可能性があります。

外国人が所属機関のカテゴリーを事前に確認する方法

ビザ申請をスムーズに進めるためには、自分の所属する企業のカテゴリーを事前に把握しておくことが非常に大切です。

会社に直接確認する

最も確実な方法は、会社の人事担当者などに直接確認することです。ビザ申請の実績がある企業であれば、どのカテゴリーに該当するか把握しているはずです。

書類から確認する

会社のウェブサイトや、会社案内などの書類からも、ある程度の目安を付けることが可能です。特に、上場企業かどうかはすぐに調べられますし、設立年数も会社概要で確認できます。

まとめ

所属機関のカテゴリーは、ビザ申請における「企業の信頼度」を測る重要な指標です。

  • カテゴリー1・2: 必要書類が少なく、スムーズに手続きが進みやすい
  • カテゴリー3・4: 必要書類が多く、審査に時間がかかる傾向がある

ビザ申請をスムーズに進めるには、事前に自分の所属する企業のカテゴリーを把握し、必要な書類を漏れなく準備することが大切です。

特にカテゴリー3・4の場合、カテゴリー1・2に比べて提出書類が多く、審査に時間がかかる傾向にあるため、より一層慎重な準備が必要です。

しかし、重要なのは、カテゴリーそのものよりも、申請内容が適正かどうかです。

「自分の会社はどのカテゴリーに当てはまるの?」
「必要な書類が多すぎて、何から手をつけていいか分からない」
「自分で申請したけど、審査がなかなか進まずに困っている…」
ビザ申請の準備を進める中で、このような不安を抱えていませんか?

カテゴリーによって必要書類が大きく異なるため、適切な書類を準備しなければ、審査が遅れたり、不許可になったりするリスクがあります。特にカテゴリー3・4に該当する場合は、より多くの書類が必要となり、手続きが複雑になりがちです。

私たち行政書士法人Luxentは、様々な企業のビザ申請を数多くサポートしてきた実績がございます。あなたの所属する企業のカテゴリーを正確に判断し、スムーズなビザ申請に必要な書類準備をサポートいたします。

ビザ申請に関するお悩みは一人で抱え込まず、ぜひ一度私たちにご相談ください。
専門家があなたの状況に合わせた最適なアドバイスを提供し、ビザ取得までしっかりとサポートします。

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Luxent 安藤 光晴

記事を書いた人

行政書士 安藤 光晴 Mitsuharu Ando

行政書士法人Luxentは、福岡を拠点に全国対応しています。若さと粘り強さを活かし、外国人の方や外国人雇用が初めての法人様にも丁寧にサポートを提供しています。

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