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【インタビュー】日本で活躍するスリランカ人介護福祉士チャトゥミさんが語る「教育」と「夢」

日本で活躍するスリランカ出身の介護福祉士、チャトゥミさん。彼女が運営するスリランカ人向け介護福祉士試験対策スクール「Ayumi Nursing Care Education Institute(あゆみ介護教育院)」では、今年11名もの合格者を輩出するなど、その成果と注目度が高まっています。

今回は、スクール設立のきっかけから、生徒たちとの関わり、そして日本とスリランカの介護観の違いについて、チャトゥミさんにじっくりお話を伺いました。(聞き手:行政書士 安藤)

【Profile】
CHATHUMI ISURIKAさん
出身:スリランカ
在留資格:介護

チャツミさんの画像
レッスンを行うチャトゥミさん

介護福祉士に特化したスクール設立のきっかけ

―スクールを立ち上げたきっかけを教えてください。

「私自身がそうだったのですが、日本で介護福祉士を目指すスリランカ人は、日本語の専門用語の壁に苦しんでいます。テキストの意味がわからない、授業の内容についていけない。とても悔しい思いをしました。だったら、自分たちの言葉で、わかるように教える場が必要だと強く思ったんです。」

介護の世界では、「自立支援」「尊厳」「看取り」など、日常会話とは異なる深い専門用語が飛び交います。母国語での解説があるだけで、生徒たちの理解度が格段に変わるのだと言います。

異文化理解も大切な教育の一部

―介護の知識だけでなく、文化の違いも教えていると聞きました。

「スリランカでは、家族が介護をするのが当たり前という文化があります。プロの介護士という職業がまだ広く知られていないんです。でも、日本では、介護士は“専門職”として尊敬される存在。そこにギャップがあるんですね。」

チャトゥミさんは、生徒たちにただ試験の知識を教えるだけでなく、日本の介護観を丁寧に伝えることも大切にしています。例えば「おむつ交換」ひとつにしても、日本では利用者の尊厳を守る方法が細かく決められています。その背景を理解せずに形だけを覚えても、介護の現場では通用しないのです。

シフトの合間に勉強 支えるのは「夢」と「絆」

―スクールの授業はどのように行われていますか?

「基本的には日曜日の夜に行っています。というのも、生徒たちはみんな介護現場で働いているんです。日中は仕事、夜勤明けにそのまま受講する人もいます。本当に、よく頑張っていると思います。」

眠そうな目をこすりながら、それでもノートを取る手を止めない生徒たちの姿。疲れていても、夢を諦めない彼らの姿勢が、チャトゥミさんの原動力にもなっています。

「授業では、できるだけ実体験を交えて説明するようにしています。あと、わからなかったところは授業後に個別で教えたり。生徒が「わかった!」って笑顔を見せてくれる瞬間が、一番うれしいんです。」

レッスンの様子
レッスンの様子

試験合格をゴールにしないサポート体制

―スクールでは試験対策以外にも何か支援をしていますか?

「はい。試験に合格しても、ビザの変更(更新)がうまくいかなかったり、就職先が見つからないという声もあります。だから、私はビザのアドバイスや、履歴書の書き方、面接の練習もしています。」

さらには、携帯電話の契約や、銀行口座の開設のサポート、住まいの相談にまで対応。まさに、チャトゥミさんは生徒たちにとって先生であり、家族のような存在でもあるのです。

「日本で働くには、生活全体が安定していないと難しいですよね。だから、何でも相談してもらえるような関係を大切にしています。」

日本の介護に出会って変わった人生

―介護の仕事に興味を持ったきっかけを教えてください。

「来日してすぐ、日本の介護施設で働き始めたんです。最初は「ただのお世話」の仕事だと思っていました。でも、日本では、利用者の『その人らしさ』をとても大事にしているんですよね。」

トイレの回数や食事の好み、ちょっとした会話にまで気を配る。
そこに、日本の介護の“心”があると、チャトゥミさんは言います。

「この人がどんな人生を歩んできたのかを知って、どうすればその人らしく過ごせるかを考える。こんなに深い仕事なんだと知って、私もこんな介護を提供したいと思うようになりました。」

生徒の未来が、自分の夢

―今後の目標について教えてください。

「一番嬉しいのは、生徒たちが介護福祉士として登録されて、家族を日本に呼んで一緒に暮らせるようになることです。夢を叶える手伝いができるのは、本当に幸せなことです。」

今後は、日本で法人を設立し、介護施設の運営や、介護用品の販売といった事業展開も視野に入れているそうです。

「教育だけでなく、働く場所も自分たちで作っていきたい。スリランカ人が安心して日本で生活し、成長できる環境をもっと広げていきたいと思っています。」

介護福祉士試験の合格者

異文化を超えて、人と人をつなぐ介護へ

チャトゥミさんのインタビューを通して感じたのは、「教育」や「支援」という枠を超えた、人と人の“信頼”に基づいたつながりでした。

言葉の壁、文化の違い、不安定なビザや生活環境。
それらすべてを乗り越え、日本で自分の居場所を見つけていくスリランカの人たち。
そのそばには、いつもチャトゥミさんが寄り添っています。

介護という仕事を通じて、国境を越えた温かい循環が生まれている。そんなことを強く感じさせてくれる時間でした。

チャトゥミさんが運営する「Ayumi Nursing Care Education Institute」の詳細は下記よりご覧ください。

Ayumi Nursing Care Education Institute

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キーワード:
Luxent 安藤 光晴

記事を書いた人

行政書士 安藤 光晴 Mitsuharu Ando

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